【読書感想】サイエンス超簡潔講座 合成生物学のまとめ
今まで聞いたことのない衝撃的なことしか書かれていませんでした。
この感想はかなりマニアックな内容になってしまいますのでご了承ください。
自分も理解しきれていないところがあるので、伝わりづらかったらすみません。
合成生物学とは、設計によって新しい生命システムを作り出すことを意味しているそうです。
例えば
遺伝子Bを阻害するタンパク質をコードする遺伝子Aと、
遺伝子Cを阻害するタンパク質をコードする遺伝子Bと、
遺伝子Aを阻害するタンパク質をコードする遺伝子Cを用意することで、
それぞれのタンパク質が周期的に発言するシステムを作る。
言い換えると電子工学のシステムと同じようなものを、生物由来の要素で作り出す、
という挑戦のことを意味しているようです。
遺伝子組換え(遺伝子工学)とは何が違うかというと、
普段一緒に働かない遺伝子が組み合わされて、新しい代謝経路を作るものであれば、それは合成生物学
というぼんやりとした境界線があるそうです。
具体例を出すと、糖尿病に対して、
細菌にインスリンを生産させてそれを利用することは遺伝子工学で、
様々なチャネルや遺伝子を組み合わせることで、周囲のグルコース濃度の上昇を感知してインスリンを生産するシステムを持った細胞を作ることが合成生物学だそうです。
そんなこともできるのか、、、って感じですね。
そんな合成生物学は、医療や食、環境に利用できるだけでなく、
芸術や工学にも利用することができるようです。
一番衝撃だったことは、データの保存のためにDNAを用いるという考え方です。
デジタルのテキストは0と1の文字列でコードされているのですが、
DNAのAとCを0、TとGを1として利用することで、そのデジタルテキストを塩基配列として保存することができるという考え方があるみたいです。
磁気による保存と比較して大きなメリットとしては2つあるそうで、
1つ目は安定しているので5世紀くらい保存できるということ、
2つ目は少ない重量で大量のデータを保存できるということだそうです。
デメリットとしては頻繁な読み書きはコストがかかるのでできないということだそうです。
全体として、こんな考え方があるのか、という衝撃が大きかったです。
生物だけでなく工学にも幅広い知識が必要になってくるなぁと思いました。
生物学はどんどん新しいことが出てくるので勉強を続けることが大事ですねぇ。
サイエンス超簡潔講座ということで、基礎知識があればそこまで難しくはない内容でしたので、興味を持った方はぜひ読んでみてください。
↑同じ本みたいです。