【読書感想】すばらしい新世界:科学が発展しすぎた世界
有名なディストピア小説らしいです。
「サピエンス全史」のなかで紹介されていたので読んでみました。
この本は90年前に書かれたそうで、
科学が発展しすぎた600~700年後の世界がイメージされているようです。
この世界では科学の目的が「真理」や「美」から「快適」と「幸福」へと転換してしまい、
宗教や芸術も世界から消えてしまっています。
また子供は国家の条件付センターで育てられており、
そこでは睡眠学習によって、人間としての「階級」やこの世界にとって都合のいい常識などの刷り込みが行われています。
一方、野蛮人という現実の世界の僕たちのような生活をしている人もおり、
野蛮人居留地という隔離された空間で生活をしています。
物語の後半では、野蛮人のジョンが偶然居留地に遊びに来ていた最高階級の人に外の世界へ連れ出され、
最初は外の世界を楽しんでいるが次第に、、、といった感じです。
読んでいて「うわぁ」と思ったところが、
・最高階級の人だけで国家を形成させたら争いが起きて数年で崩壊した
・技術的には低い階級の人達の仕事の時間を短縮できるが、短縮しても社会にメリットがあるわけではなく生きがいも失うため8時間働かせていたほうが良かった
みたいな研究が物語の中で報告されていたとこです。
フィクションなのになんとなく現実でも起こり得そうな研究で不気味だなと感じました。
感想を見てわかるかと思いますが、いい話ではありません。
しかし科学に携わる身としてはいろいろと考えさせられて面白い本でした!
リンク