・概要
スマホやAIの発達、さらにコロナウイルスだったりと、現代は変化が大きく予測が難しい時代(VUCA)だそうです。
また問題が明確に定義できて大量のデータがある世界では、AIのほうが問題解決は得意だそうです。
そんな時代においては、そもそも何が問題かを見つける「問題発見力」の方が求められるようです。
結論を言ってしまうと、問題発見に求められるのは「なぜ」だそうです。
問題や常識、現状に対して「なぜ」を繰り返すことで、より本質的な上位目的を発見していけるそうです。
この本で一番面白かったのは、「無知の知」「無知の無知」という概念です。
知らないということを、知っているのか知らないのかということ。
例として、悪気があって悪いことをするのと、悪気がなくて悪いことをするのでは、後者のほうが性格が悪いということが挙げられていました。
前者は悪いということは理解しているので自分で反省すれば改善することができます。
しかし後者の場合は、悪いという考え自体がありません。
そのため他人に指摘されたとしても、何が悪いのかわからず、悪いということを理解できるまで一生改善することはできないみたいです。
「自覚がない人は救いようがない」という言葉で表されていました。
だから悪いということを理解しようっていう本ではないです。
本題は、世の中の問題に対しても同じことが言えるということです。
つまり問題でも同様に、
①知っていること
②知らないということを知っていること
③知らないということを知らないこと
の3つがあるということ。
そして③の領域が一番多いということです。
③をいかに自覚するかということが課題になってくるんですね。
②を①にする(問題を解決する)ことはAIが得意なことです。
そこで③を②にする(問題を発見する)ために、「なぜ」を繰り返しましょうっていう感じです。
天の邪鬼だったり、文句をよく言う人は、この「なぜ」を繰り返すことが得意らしく、問題発見に向いているみたいです。
・感想
イシューからはじめよに内容が近い本だったのかなと思います
あの本はあんまり理解できなかったけど、この本を読んでそーゆーことだったのかと少しだけ理解できました。
ちなみに作者の細谷功さんは、あの「メモの魔力」の中で紹介されていた「具体と抽象」という本を書いた人です。
「地頭力を鍛える」とかも聞いたことある人がいるかも知れません。
メモの魔力で最重要視されている抽象化と具体化についてのスペシャリストって感じで、本当に頭がいい人だなぁって思います。
具体と抽象っていう題名から抽象的ですが、こちらもぜひ読んでみてほしい本です。